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2025.10.16
注文住宅をローコストで建てる前に!知っておくべき5つの落とし穴

「注文住宅を建てたいけれど予算が限られている」「ローコスト住宅は実際どうなのだろう」と迷う方も多いのではないでしょうか?
ローコスト住宅は、一般的な注文住宅よりも建築費を抑えられる点が大きな魅力です。ただしその一方で、「間取りの制限」「維持費の増加」「資産価値の低下」「オプション費用の膨張」「性能面の不安」といった5つの落とし穴があります。
本記事では、購入前に押さえておきたい注意点と、後悔を防ぐための対策をわかりやすくご紹介します。
ローコスト住宅の特徴と魅力
ローコスト住宅とは、坪単価30万〜50万円ほどで建てられる住宅のことです。一般的な注文住宅に比べて建築費を抑えやすく、近年は20代・30代の若い世代を中心に支持されています。ここでは、ローコスト住宅の特徴と魅力を整理します。
安さを実現する4つの仕組み
ローコスト住宅の低価格は、次のような効率化によって実現されています。
- 間取りや仕様を規格化して設計の手間と工期を短縮
- 施工スタッフを効率的に配置し、人件費を抑制
- 展示場や広告宣伝費を最小限にして経費を削減
これらの工夫により、従来の住宅建築よりも大幅にコストを抑えられます。さらに、資材調達から施工までの流れが統一されているため、価格が安定しやすい点も特徴です。
家計に与える影響と返済負担の違い
ローコスト住宅は坪単価30万〜50万円で建てられ、一般的な注文住宅より総額で2,000万円以上安くなるケースがあります。たとえば、30坪の家なら900万〜1,500万円に収まり、35年ローンに換算すると月々の返済はおよそ2万〜3万円台です。
一方、坪単価110万円の一般住宅で同規模を建てると、総額は約3,300万円となり、月々の返済は7万〜8万円台に達します。毎月の固定支出に4万〜5万円の差が出るため、その分を趣味や旅行、住まいのメンテナンス費用などに充てられる余裕が生まれるでしょう。
出典:住宅金融支援機構「2024年度フラット35利用者調査」
https://www.jhf.go.jp/files/a/public/jhf/400374389.pdf
建築スピードの早さと入居までの流れ
規格化された設計と効率的な施工体制により、ローコスト住宅は工期が短く済むのが特徴です。自由設計の注文住宅では打ち合わせや設計変更に時間がかかりますが、ローコスト住宅では平均4〜6か月で入居できるケースも少なくありません。
短期間で引き渡しを受けられるため、建築中に支払い続ける賃貸家賃の負担を抑えやすい点も魅力です。
【重要】2025年4月建築基準法改正がローコスト住宅に与える影響
2025年4月から建築物に関するルール(建築基準法)が改正され、ローコスト住宅の価格や仕様にも影響が出ています。主なポイントは次の3つです。
- 建築確認の審査が厳しくなった:2階建てで詳細な構造チェックが必要に
- 断熱性能の基準が義務化された:窓を断熱材や窓の高性能化が必須に
- 坪単価が上昇した:30万〜40万円から50万〜65万円へ
これまで2階建ての家は簡単な審査で建てられましたが、現在は専門家による構造計算が必須となり、15万〜30万円ほどの追加コストがかかります。
また、新築住宅は断熱性能の基準を満たすことが義務づけられ、断熱材や窓、設備のグレードアップが必要です。結果として、ローコスト住宅の坪単価は従来の30万〜40万円から50万〜65万円へ上昇し、注文住宅との差が小さくなっています。
参考:国土交通省「令和4年改正建築基準法について」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kenchikukijunhou.html
ローコスト住宅は誰に向いているのか

ローコスト住宅は、安さが最大の魅力である一方で、向き不向きがはっきり分かれる住まいです。年収や家族構成、そして住まいに求める価値観によって、適しているかどうかが大きく変わります。
ここでは、どのような人にローコスト住宅が合うのか、また合わないのかを整理します。
向いている人の特徴
ローコスト住宅は、特定の条件に当てはまる人にとって特にメリットが大きい住宅です。以下のような特徴を持つ人に適しています。
- 借入額を抑えたい世帯:借入額を抑えたい若い世代や共働き世帯
- 初期費用を抑えたい人:頭金を少なく済ませたい人
- シンプルな住まいを求める人:効率的で無駄のない間取りを好む人
こうした人にとってローコスト住宅は、ローン審査を受けやすく月々の負担も軽いため、新生活を始めやすい住まいといえます。
向いていない人の特徴
次のような条件を重視する人には、ローコスト住宅はあまり適していません。
- 間取りやデザインに強いこだわりがある人
- 高い耐震性や断熱性などの性能を求める人
- 将来の資産価値を重視する人
- メンテナンス頻度を減らしたい人
こうした条件を優先する人には、コスト面よりも性能・仕様を重視した住まいのほうが、結果的に満足度の高い暮らしを得られます。
ローコスト住宅に潜む5つの落とし穴

本体価格の安さが魅力のローコスト住宅ですが、安さだけで選んでしまうと住み始めてから後悔することがあります。次の5つのデメリットを理解したうえで検討することが大切です。
間取り・デザイン自由度の制限
ローコスト住宅は規格化されたプランを採用しているため、間取りやデザインの自由度が限られます。建物は施工効率を優先したシンプルな箱型が多く、個性的な外観や複雑な間取りは実現しにくい傾向があります。
さらに標準プランから外れる変更には高額な追加費用がかかり、最終的に注文住宅と同程度の費用になることが少なくありません。
住宅性能への不安
ローコスト住宅はコストを優先するぶん、断熱性・耐震性などの住宅性能が最低限に設定されているケースが少なくありません。断熱が不十分だと冷暖房の効率が落ち、長期的な光熱費の負担増につながります。
さらに、省エネ基準ぎりぎりの仕様では、夏は蒸し暑く、冬は底冷えしやすいなど、住環境の快適さに差が出やすくなります。建築時に初期コストだけで判断せず、性能面も含めて検討することが大切です。
オプション費用による予算オーバーのリスク
ローコスト住宅は、価格を抑えるために標準仕様がシンプルに設定されています。そのため「ここだけはこだわりたい」と思ってグレードアップを重ねるうちに、想定以上の出費につながることがあります。
たとえばキッチン設備や床・外壁などの素材をワンランク上げるだけでも、追加費用が一気に膨らむものです。こうしたオプションを積み重ねるうちに、最終的には注文住宅とほぼ同じ金額になるかもしれません。
メンテナンス費用高騰の問題
ローコスト住宅はコストを抑えるために安価な建材を使うことが多く、劣化が早いためメンテナンスの頻度が増えます。
目安として、外壁塗装は10〜15年ごとに100万〜150万円、屋根の補修も15〜20年ごとに50万〜100万円が必要です。これらを合計すると、30年間で300万〜500万円の追加負担になる可能性があります。
将来的な資産価値低下リスク
建材の質やブランド力の弱さから、将来的に資産価値が下がりやすい傾向があります。安価な建材や画一的なデザインは築浅でも古びた印象を与え、不動産市場での評価を下げる要因となります。
さらに大手ハウスメーカーとのブランド差が、売却時の査定額を押し下げるケースも見られます。
ローコスト住宅には何年住めるのか?
ローコスト住宅でも適切にメンテナンスをおこなえば30〜50年は住み続けられます。ただし、管理を怠れば想定より早く劣化し、短命に終わるリスクがあります。
ローコスト住宅を含む木造住宅の税務上の法定耐用年数は、33年(居住用)とされています。ただし、これは税法上の帳簿処理に用いる数字であり、実際の居住可能年数とは異なるものです。
また、外壁は10〜15年ごと、屋根は15〜20年ごとに補修が必要で、30年間で初期費用の3〜5割にあたる追加投資が発生することが一般的です。こうしたコストを軽視すると、せっかく安く建てても維持費で割高になる場合があります。
結局のところ、維持費を含めればローコスト住宅が本当に得かどうかは一概にいえません。検討する際は、安さと寿命の兼ね合いを冷静に見極めること大切です。
ローコスト住宅の課題を解決する方法は?
ローコスト住宅は「後から維持費がかかる」「耐久性や安全性に不安がある」という課題を抱えています。
その解決策となるのが、安さだけでなく耐久性や維持費まで考えた新しい住宅スタイルです。ポイントを2つにわけてご説明します。
メンテナンスフリー住宅という新しい選択肢
メンテナンスフリー住宅とは、定期的な大規模修繕や塗装工事の負担をできるだけ減らせる住宅のことです。外壁や屋根に劣化しにくい素材を採用することで、10〜15年ごとに発生する数百万円規模の修繕費を抑えられます。
たとえば、外壁に磁器タイルを使えば再塗装が不要になり、屋根にシステム瓦を採用すれば漆喰の補修や雨漏りのリスクを減らせます。結果として、建築時の初期費用はやや高くても、長期的にはメンテナンス費を大幅に削減できる「トータルコストの安い住まい」といえるでしょう。
地震に強く資産価値も保てるRC住宅もおすすめ
鉄筋コンクリート造住宅は、法定耐用年数が47年と木造住宅の約2倍以上の耐久性を誇り、実質的な寿命は100年以上とされています。近年は、耐震等級3相当を確保しつつ木造住宅に近い価格で建てられるRC住宅が登場しています。
日本は世界有数の地震多発国であり、住宅の耐震性能はどの地域でも欠かせません。とりわけ関東地方は大規模地震の発生リスクが高く、茨城県南部では30年以内に震度6弱以上の地震が発生する確率が80%以上とされています。
ローコスト住宅も建築基準法を満たす最低限の耐震性はありますが、大地震への備えとしては十分ではありません。RC住宅なら耐震等級3相当の強度を確保でき、高い地震リスクに対して有効な選択肢です。
出典:地震調査研究推進本部「関東地方の地震活動の特徴」
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_kanto/
まとめ
ローコスト住宅は、初期費用を抑えて新築を手に入れられる点で魅力的な住まいです。しかし、間取りやデザインの自由度が限られる、メンテナンス費用がかさむ、資産価値が下がりやすい、オプション費用による予算オーバー、住宅性能への不安といった弱点があります。
さらに2025年4月の建築基準法改正により、従来ほどの価格差は出にくくなっています。安さだけを理由に選んでしまうと「本当に得なのか」という疑問が残る状況です。
こうした中で注目されているのが、メンテナンスフリー住宅やRC住宅といった新しい選択肢です。維持費を抑えながら耐震性や資産価値を高められるため、長期的な安心につながります。
守谷市・つくばみらい市で住宅を検討する際は、ぜひ一度当社までお問い合わせください。
社名:株式会社壁工房
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建設業者許可番号:茨城県知事許可-第035753号