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2025.10.16
注文住宅でドラム防音室を実現!費用を抑えながら理想の音楽環境をつくる方法

近年、自宅で音楽活動をする人が増え、防音環境へのニーズが高まっています。そのなかでもドラムはもっとも音が大きく、防音はもちろん、適切な振動対策が欠かせません。
注文住宅なら、プランニング段階で防音室を設計に組み込み、希望する性能・予算にあわせて最適な音楽環境を整えられます。
本記事では、注文住宅でドラム防音室を設置する際のポイントや、費用を抑える工夫、さらに茨城県南部で施工する場合の注意点まで詳しく解説します。ドラム専用の防音空間を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
ドラムの音はどれだけ大きいのか

ドラム防音室を計画する前に、まずはドラムの音量と必要な防音性能を把握しましょう。
ドラム演奏は電車通過時と同じ音量
演奏スタイルによりますが、ドラムの音量はおよそ110デシベル(dB)とされています。これは電車が通過する際のガード下(100dB)から、飛行機のエンジン近く(約100dB)に相当する音量です。
環境省によると、住宅地での昼間の基準値は55dB以下、夜間は45dB以下とされています。つまり、ドラムの音を近隣に迷惑をかけないレベルまで下げるには、最低でも55~85dBの遮音が必要です。
出典:環境省「騒音に係る環境基準について」
https://www.env.go.jp/kijun/oto1-1.html
防音室に必要な性能とは
防音室の性能は「Dr値(遮音等級)」で表されます。ドラム演奏には、一般的にDr-65~70の遮音性能が推奨されますが、最低でもDr-60は確保したいところです。
Dr-60とは、特定の周波数において60dBの音を減らす能力を意味します。仮に120dBのドラム音がDr-60の防音室を通ると、外部には60dB程度(普通の会話レベル)まで小さくなって聞こえる計算です。
バスドラムの振動が最大の問題
ドラムの防音では、空気を伝わる音だけでなく、床・壁を伝わる振動への対策も欠かせません。特にバスドラムの低音は、振動として建物全体に伝わりやすく、上階や隣家への影響が大きくなります。
振動を抑えるには、浮き床構造や防振ゴムの設置が有効です。鉄筋コンクリート造では床のコンクリートスラブを厚くする、木造住宅では入念に下地と支持部を強化するなど、建物の構造に応じて対策します。
自宅にドラム防音室を作る5つのメリット
注文住宅でドラム防音室を設置すると、スタジオでは得られないメリットが多数あります。初期費用はかかりますが、長期的に見る満足度の高い投資になるでしょう。
24時間いつでも練習できる
最大のメリットは、時間を気にせず練習できることです。早朝や深夜でも、思い立ったときにドラムを叩けるのは、多くのドラマーが夢見る理想の練習環境といえるでしょう。
また、スタジオの営業時間や予約状況に左右されることなく、自分のペースで練習計画を立てられます。仕事が不規則な方や、子育て中で外出が難しい方にとって、自宅のドラムルームがある価値は大きいでしょう。
スタジオ代が浮く
たとえば月4回スタジオを利用し、1回2時間で3,000円とすると、年間で144,000円のスタジオ代がかかります。これに交通費を加えると、さらに費用は増えるでしょう。
防音室があれば、これらのコストがすべて不要になります。10年間で約144万円、20年間で約288万円の節約が見込める計算です。移動時間もなくなるため、そのぶん練習や家族との時間に充てられます。
家族と暮らしながら音楽活動ができる
自宅に防音室があれば、家族が在宅中でも気兼ねなく練習できます。子どもの就寝後に練習したり、休日の空き時間を活用したりと、生活リズムを崩さずに趣味を続けられるでしょう。
さらに、防音室は家族の音楽活動にも活用できます。子どものピアノ練習やカラオケ、音楽鑑賞など、家族全員で音楽を楽しめる空間としても役立ちます。
家の価値が上がる
防音室付きの住宅は、通常の住宅より資産価値が高くなる傾向があります。実際、音楽愛好家にとって魅力的な物件であるため、将来的に売却・賃貸に出す際も有利に働くでしょう。
ドラム以外にも使える多目的空間
防音室は、ドラム演奏以外にも活用できます。高い遮音性能を活かして、ホームシアターとして映画を大音量で楽しんだり、テレワーク時の会議室として使用したりできます。また、遮音性能の高さは、外部の騒音を遮断する効果もあるため、集中力が必要な作業スペースにも最適です。
ドラム防音室の困った点と解決策

ドラム防音室にはメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。事前に課題を把握し、適切な対策を講じましょう。
6畳で300万円かかる高額な初期費用
最大のデメリットは、初期費用の高さです。本格的なドラム防音室の施工費用は、坪単価で100万円程度が相場となり、6畳(約3坪)の防音室で300万円前後の費用がかかります。
しかし、新築時に防音室を同時施工することで、後から追加工事するよりもコストを削減できます。さらに防音性能を用途に応じて調整すれば、過剰な投資を避けやすくなるでしょう。
部屋が狭く感じる圧迫感
防音室は、壁・床・天井に厚い防音材を使用するため、元の部屋より1~2畳程度狭くなります。特に天井高が低くなることで、圧迫感を感じやすいでしょう。
これについては、設計段階で天井高を通常より高く設定したり、明るい色の内装材を選んだりすることで、開放感を演出できます。防音扉に窓を設ければ、視覚的な広がりの確保にも役立ちます。
エアコンと換気扇が必須
防音室は気密性が高いため、換気が不十分だと温度や湿度が上がりやすくなります。特に夏場は演奏中の体温や楽器の振動による発熱で、室温が急激に上昇します。
そのため、室内にはエアコンや換気扇の設置が欠かせません。これらの設備にも防音処理が必要となるため、設置コストは通常より高くなる傾向があります。
ドラム防音室を作るときの重要ポイント
ドラム防音室を成功させるには、設計段階での入念な計画が欠かせません。自宅で防音室を検討する場合、以下のポイントを押さえましょう。
1階に作れば振動対策が楽になる
ドラム防音室は、できるだけ1階に設置することをおすすめします。2階に設置すると、床への振動が下階に伝わりやすく、高度な防振対策が必要となり、必然的にコストが増加します。
地盤に近い1階なら、振動が地面に逃げやすく、建物全体への影響を最小限に抑えられるでしょう。また、建物の端部や独立した位置に配置することで、ほかの部屋への振動伝達を軽減できます。
最低6畳の広さが必要
ドラム防音室には、最低でも6畳(約10平方メートル)の広さが必要です。ドラムセット自体が2~4平方メートル程度のスペースを占めるため、演奏時の動作範囲や機材の配置を考えると、6畳が実用的な最小サイズといえます。
なお、余裕を持って8畳以上確保できれば、録音機材やアンプなども設置でき、より本格的な音楽活動ができます。
壁は二重構造が基本
高い遮音性能を確保するには、適切な防音材の選定と二重構造の採用が欠かせません。二重構造とは、壁や床、天井などの仕上げ材と構造材の間に空気層をつくり、音の伝わりを減らす方法です。空気層は、音のエネルギーを減衰させる「バッファー」として機能します。
ドラム防音室を安く作る3つの方法
ドラム防音室の初期費用は決して安くありません。しかし、工夫次第で費用を抑えながら満足度の高い防音室を実現できます。
家を建てるときに一緒に作る
もっとも効果的なコスト削減方法は、新築時に防音室を同時施工することです。後付け工事に比べて設計の自由度が高く、構造計算や防音材の配置を最初から組み込めるため、効率的に施工できます。
また、配管や配線の取り回し、換気・空調設備の位置決めなども一括で計画できるため、余計な工事を減らせます。さらに建築確認申請や各種手続きを一度に済ませられるため、書類作成や申請コストも抑えられるでしょう。
このように「建てながら作る」方式は、工期短縮・コスト削減・防音性能の安定といった観点から有効です。
過剰な性能は求めない
用途に合わせて防音レベルを決めておきましょう。多くの場合、プロのレコーディングスタジオ並みの性能までは必要ありません。遮音性能の目安となるDr-60程度でも、深夜以外の時間帯であれば十分対応できるケースが多いといえます。
また、内装材のグレードを調整したり、オプション機能を厳選したりすることで、基本性能を保ちながらコストを抑えられます。将来的に必要に応じてグレードアップする計画にしておくと、初期投資を抑えつつ柔軟に対応できます。
設備や内装をシンプルにする
防音室のコストは、採用する設備や内装のグレードによって大きく変わります。たとえば、吸音パネルや床材、照明・コンセントの位置などを標準仕様に近いものに統一するだけでも、初期費用を抑えられます。
さらに、将来の使い方を見越して「最低限必要な設備だけ先に導入し、あとから追加する」方法を取ると、当初の予算負担を減らせます。内装や家具をDIYで仕上げるのも一案です。
まとめ
ドラム防音室の設置は、音楽活動をしている人にとって価値ある投資といえます。初期費用は6畳で約300万円かかりますが、年間14万円以上のスタジオ代節約や、24時間練習できる環境を考えると、長期的には元が取れるでしょう。
設置コストを抑えるポイントは、新築時に同時施工すること、用途に合わせた防音レベルを選ぶことです。また、もともと防音性能の高い住宅を選ぶことも、追加工事費を抑える有効な方法といえます。
百年住宅のRC住宅は遮音性が高く、防音室を追加する際の工事費を比較的抑えやすくなります。また、壁工房オリジナルのメンテナンスフリー住宅を選ぶことで、外壁塗装などの維持費を抑え、その分を防音室の初期費用に充てやすくなります。
さらに壁工房は、防音建材大手のDAIKEN東京・秋葉原ショールームにて防音室の設計や費用に関するご相談も承っておりますので、ぜひ一度、お越しいただき実際に防音性能を感じてください。
社名:株式会社壁工房
本社所在地:〒300-2445 茨城県つくばみらい市小絹126-5
建設業者許可番号:茨城県知事許可-第035753号