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2025.10.16
注文住宅に防音室を作る費用と失敗しないコツ

「防音室を作るにはどのくらいの費用がかかるのだろう」「本当に効果があるのだろう」と悩んだことはありませんか?
十分な下調べをせずに導入すると、防音室の設置費用や防音性能が想定より高くついたり、期待外れになったりするかもしれません。
そこで今回は、注文住宅に防音室を設置する際の費用相場やメリット・デメリット、失敗しないコツを詳しくご紹介します。
防音室を設置するメリット
防音室は、音楽や映画だけでなく、仕事や学習にも使える多用途空間です。ここでは、自宅に防音室を設置するメリットを見ていきます。
時間や周囲を気にせず楽しめる生活
防音室があれば、深夜にドラムやギターを練習したり、早朝に映画やゲームの大音量を楽しんだりしても周囲に迷惑をかけません。日中にリモート会議や録音作業をする際も、外部の騒音を遮り集中力を保てます。騒音トラブルを未然に防ぎつつ、自分のペースで趣味や仕事を続けられるのが魅力です。
レンタルスタジオ代を節約できる
広さや防音性能によって費用が異なりますが、防音室の設置費用は4.5畳で170万円~、6畳で190万円以上が目安で、性能によっては300万円を超えるケースもあります。
音楽活動をしている人の場合、月2万円のレンタルスタジオを利用すると年間24万円、10年間で240万円もの費用がかかります。仮に200万円の予算で防音室を設置すれば、10年以内に元が取れる計算です。スタジオ利用料・交通費・移動時間を含めた出費を大幅に減らせるでしょう。
再販時の評価が上がりやすい
防音室は楽器演奏やリモートワークなど、静かな環境を求める層に需要があります。引っ越し・移住などで自宅を手放す際、購入希望者が集まりやすく、短期間で売却できるかもしれません。
防音室を設置するデメリット
理想的な遮音環境を実現する一方、防音室にはコストやスペースなど見過ごせないデメリットもあります。
ランニングコストがかかる
防音室は初期費用に加え、エアコンや換気設備の電気代、メンテナンス費用など継続的な支出が発生します。使用状況や設備によって変動しますが、毎月の光熱費や維持費が増える点はあらかじめ把握しておきましょう。
居住スペースへの影響も無視できません。防音室は壁の厚みが通常より15~30センチメートル程度厚くなるため、6畳の部屋を防音室にすると実質4.5畳程度の広さになってしまいます。
居住スペースが狭くなる
防音室は壁の厚みが通常より15〜30センチメートルほど増えるため、同じ部屋でも実際に使える面積が小さくなります。たとえば6畳の部屋を防音室にすると、実質4.5畳程度まで狭くなることがあります。
用途変更や解体が難しい
防音室は壁・床が特殊な構造のため、通常の部屋へ戻すには解体工事が必要になります。そのため、将来の家族構成やライフスタイルの変化を見据え、設置前に長期的な使用計画を立てておくことが大切です。
【防音レベル別】防音室の設置にかかる費用相場

防音レベル(Dr値) | 性能の目安 | 施工内容 | 6畳程度の費用目安 |
---|---|---|---|
Dr-30〜40(一般) | 一般的な防音レベル。昼間のみの使用なら対応可能 | ユニットタイプなど簡易的な防音室に多く、壁・床・天井に防音材を使用 | ユニットタイプ:50万円〜/造作工事:100万円〜 |
Dr-50〜60(本格) | 深夜でも楽器演奏ができる本格的な防音レベル | 二重壁・浮き床構造・遮音ドアなど高度な施工が必要 | 200万円〜 |
Dr-65以上(プロ仕様) | 最高レベルの遮音性能 | 高度な遮音・防振構造や換気設備など、プロ仕様の施工 | 400万円〜 |
Dr値は防音性能を示す指標で、数値が高いほど遮音性が優れます。値が上がるにつれて、壁や床の多層化、浮き構造の導入など施工が複雑になり、材料費と工数が増加します。結果、求める防音レベルによって設置費用が大きく変動するわけです。
【タイプ別】防音室の設置にかかる費用相場
防音室の設置費用は、種類や用途、求める防音性能によって大きく変動します。ここでは、具体的な費用感について、防音室のタイプ別でご紹介します。
ユニット式防音室
ユニット式防音室は、既製品を部屋の中に設置するタイプです。設置費用は50万〜300万円が相場で、工期が短く賃貸住宅でも設置しやすい特徴があります。ただし、低音域の遮音性能は低めなので、ドラムやベースの演奏には不向きといえます。
造作防音室
造作防音室は、部屋全体を防音仕様に改造するタイプです。設置費用は100万円からが目安となり、求める性能によっては500万円以上になることもあります。壁・床・天井に防音材を施工し、用途に合わせた防音環境を構築可能です。
フルオーダー防音室
新築の設計段階から防音室を組み込む完全オーダーメイド型です。設置費用は250万円程度からが目安で、プロ仕様の場合は1,000万円を超えることもあります。一般住宅で最高レベルの防音性能を実現したい場合に最適です。
【楽器・用途別】防音室の設置にかかる費用相場
続いて、楽器や用途別に必要な防音性能と設置費用の目安を整理します。音圧レベルに応じた防音対策を知ることで、適切な予算計画を立てられるでしょう。
ピアノ・管楽器
ピアノ・管楽器を対象とした防音室の設置費用は、100万〜250万円が目安です。
これらの楽器は音圧レベル(SPL)が90〜100デシベル程度と中音域が中心で、過剰な構造補強までは必要ありません。壁や天井への遮音・吸音材の施工や、二重窓の設置などが一般的な対策として挙げられます。
ドラム・打楽器全般
ドラムや打楽器向けの防音室は、設置費用が200万円〜400万円と高額になります。これは、各楽器の音圧レベルが100デシベルを超え、低音の振動が床や壁を通じて建物全体に伝わりやすいためです。そのため、浮き構造の床や二重壁、厚みのある遮音ドアなど、建物全体に干渉しない高度な防音対策が欠かせません。
こうした施工は材料費・工数ともに大きくなるため、結果として費用が高額になりやすいのです。
ホームシアター
ホームシアター向けの防音室の費用相場は、150万円〜300万円とされています。映画や音楽の重低音が外部に漏れないよう、高い遮音性が必要なうえ、室内の音響バランスを最適化する調整が必要なためです。こうした音響設計と施工は材料費・工数ともに増えるため、費用がかさむ傾向にあります。
防音室を安くつくる3つのコツ

防音室の設置には多額の費用がかかりますが、工夫次第で大幅なコスト削減ができます。ここでは、防音室の設置費用を抑える3つのコツを解説します。
家を建てるときに一緒につくる
リフォームで防音室をつくる場合、既存の壁・床を解体する必要があり、廃材処分費や養生費が追加でかかります。新築時に防音工事を組み込めば、建築工程と同時進行できるため解体作業が不要となるため、廃材処分費などを抑えられます。その結果、同じ仕様でもリフォームより総費用を削減できるのです。
ちょうどいい防音レベルを選ぶ
過剰な防音性能は費用の無駄につながります。たとえば、昼間のみピアノを弾く場合、プロ仕様(Dr-65)の防音室は明らかに不要です。周辺環境や使用時間帯を考えて、必要十分な防音レベルを選ぶことで設置費用を抑えられます。
1階に作れば費用が安くなる
防音室を2階や3階に設置する場合、床に伝わる振動を抑えるため浮き構造を採用しなければなりません。これによって追加の補強費用が発生する場合があります。
一方、防音室を1階に設置すれば、振動が地面に逃げやすくなるため簡易的な防振対策で済みます。同じ防音性能でも、上階に比べて総費用を抑えやすくなるわけです。
防音室をつくるときの注意点
防音室の設置には、通常の部屋づくりとは異なる特殊な配慮が求められます。構造や設備、施工方法の違いを理解しておかないと、後から追加費用や性能不足につながるでしょう。ここでは、防音室をつくるときの注意点をご紹介します。
建物の強度を確認する
防音室は1畳あたり300kg〜600kg程度の重量増になるとされています。(1㎡あたり約180kg〜360kg)たとえば、6畳のユニットタイプの防音室では、総重量が1.3トンを超え、木造住宅では床の耐荷重を超えるおそれがあります。
そもそも木造住宅は、荷重に余裕が少ないため補強工事が必要になることがあります。一方、RC造(鉄筋コンクリート造)の住まいは耐荷重性能が高く、同じ規模でも補強工事を省略できる場合があります。
換気とエアコンは必須
防音室は気密性が高いため、換気と空調が欠かせません。窓を開けられない構造では空気がこもりやすく、1時間に数回の換気が必要です。
基本的にエアコンが必要ですが、本体価格と取り付け工事費に加えて、配管用の穴あけやダクト処理などの追加費用がかかる場合があります。
業者選びが成功のカギ
防音室の性能は、施工業者の技術力に大きく左右されます。見積もりの段階では、Dr値などの具体的な性能数値を必ず明記してもらい、完成後に実測をおこなう条件を含めましょう。こうしておけば、設計段階で想定した防音性能が担保され、性能不足による追加工事を防ぎやすくなります。
なお、契約前に施工事例や口コミを確認しておくと、技術面だけでなくアフターサポートの信頼性も見極められるでしょう。
まとめ
注文住宅に防音室を設置する費用は、用途・防音性能・階数によって変動します。工事前に専門業者による現地調査を受け、Dr値など具体的な性能数値を確認しておくことが大切です。
壁工房では、防音建材大手のDAIKENと提携し、東京・秋葉原に防音室のショールームを設けています。来場すれば防音室の実物を体験でき、
遮音性能や施工品質を直接ご確認いただけます。防音室の導入をご検討の際は、まずショールームで体感し、当社にご相談ください。
社名:株式会社壁工房
本社所在地:〒300-2445 茨城県つくばみらい市小絹126-5
建設業者許可番号:茨城県知事許可-第035753号